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にっき
日記
宮本 百合子
14 一九二八年(昭和三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,758 字 · 118 页
三月二十日
三月二十二日
三月二十三日
錠がこわれて、開かない。椅子をYがかりてその上に立たせて、私に部屋をのぞかせた。百二十五留だ。
夜、ガウズネルが来た。話す。いつもゆっくり話す。十二時近くなった。
三月二十日(火曜)
ジョン・リードの、「世界を震駭させた十日間」をよみ始む。まだまだむずかしい。自分の力にあまる。然し面白いことは面白し。いろいろ感ず。
ケレンスキー一派が何故失墜したか、原因の心理的なものがイディオロギーの他にあることを感ず。勿論彼等がインテリゲンチャ、ブルジョア的であったのが、第一原因だが、その原因によって、結果的にあらわれたのは、一時政府の優柔不断だ。彼等は柔かった。絶えず揺れて居た。ボルシェビキが革命を成功させ得たのは、イディオロギーと、彼等の堅さにあった。この堅さの必要がどこから生ずるかというと、民族性から。――民族性に、日本のような揚げ蓋がないから。日本のアゲ蓋の一つを人情と云い、一を常識という。
三月二十二日(木曜)
桜の園の印象と、Yの翻訳について書いた「シナノイ書店のベンチ」終る。一九枚、文春。
三月二十三日(金曜)
クワルティラ、いよいよすっかりきまった。