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にっき
日記
宮本 百合子
14 一九二八年(昭和三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,758 字 · 118 页
六月三十日
〔欄外に〕
生活の辛さには同情するが、彼女の反動論には自分賛成せず。一寸議論した。
十二時すぎてかえり、かえり電車が少なくなってしまって、やっと五番にのった。
六月三十日(土曜)晴
十二時の汽車で出かけようとしたが、二人とも目がさめず。おくれる。イズボーシチクにのって、パッサージでYもう二枚シーツを買って、ステーションへ来たのが二時少し前。二時十五分の汽車で来る。
ステーションから宿まで一留であった。ポズ何を云うやら。
ここは空気がよい。そのことは、はっきり感じる。然し暑くない。暑い思いがしたい――日にやけたい望が起るからロシアに居ると面白いものだ。日本で、このように日にやけたいと思ったことなどなし。冬が永い。又すぐ寒くなる。何だか体の中にうんと熱や日光を吸って置きたい気だ。
日本は四季配分よろしきを得た国とその点からも思う。
〔欄外に〕
パンション生活の最初の経験。こんなところに居るのは若いものはない。まだその上人もすくなく、自分達を入れて六七人。胃がカタルだという婆さん、元金持でいくつも学校を持って居たが、今はどこかでエクスクルシア〔見学の団体〕の世話をして暮して居る五十余の黒ずくめの女の人。