轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
にっき
日記
宮本 百合子
07 一九二一年(大正十年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,953 字 · 124 页
十二月八日
十二月九日
黙って居ると云うことは決してそれのみで他人に苦痛を与えないことにはならない。Aは、そう云う点になると実に分らず、考えが浅く、固い。夜、苦しい心で涙を流し、結局、我身一人と云うことをつくづく思った。母上にも自分の心持は通じまいし、Aにだって分っては居ない。
十二月八日(木曜)
夜九時半頃風呂に入りもう出ようかと思いながら爪の掃除をして居たら、いきなりドッドッドッドッと地響を立て乍ら、四方の硝子が鳴り地面がゆれた。途端に、おや何が通るのか、ひどい音だと思った。が、やまない、なおぐらぐらと左右に揺れる。自分は驚いて風呂から出、ぬれた体に着物をまとった丈で濡縁に来ると、Aが寝間着一つで起きて来、「大丈夫大丈夫」と云い乍ら、自分を抱いて呉れた。夜更けても時々家が揺れる。非常に不安で眠れない。寝て居ても体が棒のようになり、床の上に浮いたような心持。
うとうとし乍ら、『婦公』には短篇二題でも書こうかと思いつく。
十二月九日(金曜)
新聞を見ると、二十八年以来の強震とある。
『家庭界』と云うのに送る小品を手入れ、発送してしまう。
ふと心に浮んだこと。
野上彌生さんは、人生に対するあらゆる考を二人で考えて居られるように見える。