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にっき
日記
宮本 百合子
07 一九二一年(大正十年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,953 字 · 124 页
四月二日
四月三日
四月四日
及ぼすべき真の力は持たないものではないのか。
母は、そのことを聞いて、「まあ、たまらない」と云われた。自分は、ああこれだ、と思わずに居られなかった。
「何故おかあさまは、此う云うことを、そう割合に侮蔑的な一声でかたづけなさるの?」
「一々、文学者のように考えては、自分の体が片づいてしまうよ。」
四月二日(土曜)
A、福井より帰京。
野上彌生子氏より手紙。
四月三日(日曜)
斯様な反省や苦しみが起ったとき、先ず、彼に就て云々する自分の態度は如何う考えるべきものであろう。
勿論自分の力が欠しいに起因する。あらゆる宇宙は我より、である。
けれども、彼を許して、赤坊に(れいこんの)出来ないのは、自分の卑少のせいか?
自分自身で、自分の火を守って行けない燈台守! 今までのような、熱が自分に乏しく、燃え上ることの力弱く感じるのは何故だろう。
只自分の錯覚か、或は事実か?
事実としたら何処に原因がある?
愛するなどと云うことの、いかに、いかに、難いことよ! その困難を痛感するものほど愛したい心が強いのだ。
四月四日(月曜)
自分には彼との、その大きな差をしっかり見乍ら、許し、包む丈の大きさがないのだ。