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にっき

日記

宮本 百合子

07 一九二一年(大正十年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,953 字 · 124 页

青空文庫

十月二十二日

十月二十三日

と同時に、若し江原さんに此だけの知があったら、あれももっとよかったろうと思う。心理□□が、如何に、深まらなければならないか、此は現代の小説家のもっとも深く考、反省しなければいけないことではないだろうか。

男、おんなのいきさつでは仕様もない。

十月二十二日(土曜)

Aの「ペルシャ文学史考」まとまり、すっかり出来上る。嬉しく思い、二人がかりで綴じ、やっと一息ついた処へ思いがけなく水津氏が来られた。私共は久しぶりだったので、悦び、心から種々話したけれども、何となく感興がなく、疲れ、気がなく見えた。

クレアモント時代の面影はまるでない。あの輝がない。

どうされたのか。生活が幸福でないのかと案じる。

伊藤白蓮氏が、宮崎滔天の息と恋愛関係に陥り、東京に止り、良人に絶縁状を送ったことが新聞に報道され、大さわぎとなった。

種々の思いが胸に満ちる。

十月二十三日(日曜)

Aが、岩波氏に会おうとして電話をかけたが居ず、駄目。

夕方、『読売』の記者が伊藤氏のことについての感想を聞に来、亢奮し、気がまとまらなそうにして居るので、話をするのが不安であった。

本郷通に珍らしく出、ジャクソンの写真を入れるわくと great war に関する雑誌、本を買って来る。