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にっき
日記
宮本 百合子
07 一九二一年(大正十年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,953 字 · 124 页
二月十六日
二月二十日
――彼女の露骨な優越感の表示は、自分の物質的位置が、彼等より高いと云うこと、なのである。食堂に行ったら、花がなくて淋しい、クラッスが違うわ、と云われる。或程度の処へ来たら、その程度を見ればよいのだ。
小僧が五十五銭です、と云ったら、ひどくむっとした我ままな声で、五十三銭だって云ったじゃあありませんか! と云った。何のために、其那声を出したのか、自分には分らないで恥た、いやな心持がした。物質的な優越感にならされた或程度の成金気分が彼女にもある。金に対して丁寧にする者に対して、尊大ぶる劣しさ。夜紀元節が明日だからと思って、Aにお風呂を呼ぶ。今夜は駄目、明日近藤が来ると云う。そして、虎屋に気の毒だから急用でなければ呼ぶなと、勿論皆のきいて居る処で私をたしなめる。私の親切に対して、何と云う真実のない、てらいだか見栄だかなのだろう。何故そうなのか、何故? 何故?
二月十六日(水曜)
『女性日本人』のために、「偶感一語」をまとめる。
母上や父上には分らぬ。
政教社に持って行き、千葉先生に見て戴く。
「偶感一語」
二月二十日(日曜)
待って居ると云うことは恐ろしい、自分は、机の上、自分の真前に時計を置いた。