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にっき
日記
宮本 百合子
07 一九二一年(大正十年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,953 字 · 124 页
七月五日
七月六日
七月五日(火曜)
クロポトキンの、「革命家の思出」を読んで居る。面白い。ロシアの農奴の実際的状態を見たものこそ、農奴解放の熱意が内から湧いて来るのだ。彼の家に働いた農奴が、どう云う取扱いをうけたかと云うことを知ると、ロシアの知識階級の公憤がうなずかれる。日本の農民小作がいくら残酷にあつかわれて居ると云っても、決してあれほどではない。従って日本人の農民に対する愛などは、真実な形に於て温和的のものであるのが当然だ。
彼のうけた教育の方法をみると、自分のうけた学問が、如何に実力とならないものであったかを思わずには居られない。
七月六日(水曜)
平塚らいてう氏の新婦人協会が瓦解したと云う報道が新聞にある。
同性の微力を寂しく感じる。
あまり根底があさいのに、外界に大きく働きすぎるからだったのか。市川房枝女史が実行家で、彼女は、自から鋭く熱がないのだとかかれて居る。短い期間に大きなことに成功して、わっと云わせたい心持の同志が多かったのではないか。
現代の女性の欠かんは、自分から外へ外へと眼を向けることにある。何かしだす動機を深く反省する心の力は欠けて、知識の力が片手落ちなのだ。