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にっき

日記

宮本 百合子

07 一九二一年(大正十年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,953 字 · 124 页

青空文庫

三月十一日

三月十五日

三月十七日

此の幹は夏緑色だ、どう変化して行くのか

春!

机の前の日よけの檜葉の根に、始めて一かぶの雑草を見つける。可愛く尊し、

三月十一日(金曜)

仕事にとん悟す。うまく進む、ありがたい。

自分の生活が漸々真個になった。もうべたつかない。

三月十五日(火曜)

皇太子殿下、三日御渡欧、

自分は結構なことだと単純に思ったら、元は、皇太子妃が島津家出なので、薩摩人の、宮相、元老が、その留守に、廃してしまおうとしたのだそうだ。

其を杉浦重剛翁が、

「大義名分を明かにする」と云って、久邇宮の教育を辞して、世上に仄めかし、ついに失敗にきした。

彼等の恐ろしい郷土的偏見、何か目的のために彼等は仮に大臣となり、痴愚な天皇を補う宮相となるのか。

三月十七日(木曜)

○結婚生活に於ける一つの場合、

自分が良人に支配されて居る、と云う反省、

彼の笑顔に自分も笑顔に成る。

彼の渋面に自分も渋面を作る。

◎自分の笑顔が相手の渋面に迎えられた時、笑顔はその力を持続し得ない。

自分が此人を、此程愛して居ても、心はいつも一つでない。そのために苦しまされる。只一人の此の男に、拘泥して居る弱小さが、煩悶なのである。