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にっき
日記
宮本 百合子
07 一九二一年(大正十年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,953 字 · 124 页
六月十二日
六月十三日
『女性同盟』、七月号のために感想の約束、
今日、田舎では畑の仕事をすると、不作になると云う迷信、
六月十二日(日曜)
昨日から梅雨、
“Colas Breugnon”を読んで居る。
流石は「ジャン・クリストフ」の著者だ。文章はむずかしい。しかし、読者は、「ジャン・クリストフ」とはまるで異った方向に於て、矢張り偉大な、一人の男性を感じずには居られないだろう。まだ五十頁ほか読まないが、心に遺る言葉が点在して居る。
有島武郎氏よりは、間違なく偉大だ。
彼を尊敬しながらも、あきたらず感じる一点、一方から云うと其が彼たらしめて居る、道徳的なあまさがここでは、心持よく垢ぬけがして居る。
全く Manly だ。Ye old Colas Breugnon!
斯う云うなつかしい心から響く表現が日本語にあるか。
六月十三日(月曜)
昨夜、雨が夕方になってから上り、彼方の山ぎわが四辺が真暗になってまで、鋭い鉛色に輝いて居た。夜空が見え風が吹く。
今朝はさわやかな晴天の朝が来た。風が涼しく、爽やかさを増し、葉にあたる日光に白熱的な輝がました。初夏の――春から夏に移った許りの、不定な、若々しく動揺した空合ではなく、確かりと自信を持ち、刻々と成熟して行く天気だ。