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にっき

日記

宮本 百合子

07 一九二一年(大正十年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,953 字 · 124 页

青空文庫

九月二十二日

九月二十五日

九月二十六日

九月二十八日

九月二十二日(木曜)

前述の書物をよみ、書きぬきを作る。

アメリカの Sing Sing の自治的組織を見、如何程日本の組織と異うかを考える。

神近市子氏は、頭もあるのに、あれ丈囚人の生活をしり何故それについては一言も云う折を見出されないのだろう。随分女囚などは苦痛と悲とを味うのではないだろうか、それにつれて思ったことは、市子氏位の人でも、憚る、一種のあわれな心持を与えられてしまったのではないかと云う事である。正々堂々と物を云えない、或は云わない心持。

深い大きなことだと思う。

九月二十五日(日曜)

林町に独りで行く、雨。

九月二十六日(月曜)

お百合さんが朝十一時頃来、いろいろおそくまで話す。

あの人のよい処が分り尊敬する心が湧きよい時をもったと思う。淋しい人なのだ。其故、あの賑やかさにも、何処か空虚な処がある。

子供らしい熱心さや他意なさを持って居ることは、あの人のために悦ぶべきことだと共に可哀そうだ。

九月二十八日(水曜)

幾年振りかで、朝電気のついて居る時に起き、雨の降る中を横浜に行く。八時上陸がおくれ十時頃になる。ペルシャ丸は小さく淋しい船なので驚いた。