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にっき
日記
宮本 百合子
14 一九二八年(昭和三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,758 字 · 118 页
十一月三十日
十二月一日
昨夜は活動のかえり、ニキートスキエ〔広場名〕でインディカ〔七面鳥〕をたべてかえる。滑っこい滑っこい、風呂に入る。顔を洗う、オカッパになるとこんなに頭を洗うのがよい心持なものかとびっくりした。Yのところに宿る。
六時、女のドクトルのところへ部屋を見に行く。この女には閉口だ。概して女のドクトルは何故一種のいやさを持つか。K・Kの家の細君が恋しくなった。自信ない女ドクトルの方が愛らしい。
八時すぎ家へかえる。こっちで бус〔バス〕をおりたら道は凍っている。市中では泥濘であったが。
コーカサスの部終り。ヴォルガのところを見始める。面白し。日本の旅行には見出されぬ複雑な興味があって、地図を見、うなった。
〔欄外に〕
コルシュの手前のパルトニハ〔女裁縫師〕の家、階段の女がキューピットと遊んで居る鋳銅の首やなんかみんなとれて、四階のが一つだけのこって居る。
○戸にはり出した名簿誰には一つ、誰には三つベルの数が書いてある。
○階段に女の不しまつしたものが落ちて居る。
○寺の境内、彼方に昔僧が引こもったものらしい小舎が十近く並んで居る。
十二月一日(土曜)
朝(髪を洗ったので、おとといの晩Yのところで)パリクマッヘル〔床屋〕に出かける。