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にっき

日記

宮本 百合子

14 一九二八年(昭和三年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,758 字 · 118 页

青空文庫

三月十二日

これは、自分面白く感じた。モスクワに於けるアメリカニゼーション。Н・Л、ベラ・イムベルの夫という活動に関係して居る男は、ホームスパンのような服に、半ズボンという服装で、これはロシアの男の間のアメリカスタイル好みの標本だ。

〔欄外に〕

午前中二人で、死人街にクワルティーラを見に行ったら、そこにはなくて多分コムミシォネール〔ブローカー〕であったらしい。

それからアンナ・サモイロブナのところへ行ったら、しまっていた。

大使館へ手紙をとりに行ったら同様

セメントの切符を買った。

三月十二日(月曜)

この頃、日本で云えば寒の終り。モローズの最後で、寒し。つめたい風が吹く。今日は、皇帝を一九一七年に廃した記念日として、すべての官公立・私立がやすみで、街路は、ふだんの働き人で一杯だ。

朝、これまで書いたものを少しよみかえして、手入れすべきところを心づいた。やはり、ただ日記のようにずるずる書いては面白くない。もっと圧さくする必要あり。きのう、ガウズネルにきいたフィリッポフの店で食事す。二人位が丁度よい小テーブルが沢山並んで居て、食物やはり美味し。普通のストローバヤでこしらえないものがあった。