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にっき
日記
宮本 百合子
14 一九二八年(昭和三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,758 字 · 118 页
三月二十七日
三月二十八日
三月二十九日
三月三十日
三十年間舞台に居た人が、これぎり舞台と別れる――辛いことだ。
〔欄外に〕
舞台に出た瞬間のキン張した心持は、書くものが原稿紙に向い、紙と心とが平らになったときのあの感じ、あの感じと同じであろう。
三月二十七日(火曜)
この頃は、どこの本やでも、ゴルキー一点張りだ。非常によい写真がある。本もうんとある。
トルストイ祭が今年あるが、ゴルキーを歓迎するようには盛にしまい。トルストイアンは、目下のロシアにとって、あまり有難いものではないのだそうだ。
又そうらしい、例えばAさんのところへ来る男なども。一種の、ウラナリとなって居る。
三月二十八日(水曜)
ビクトリア・ゲンリホブナの稽古
三月二十九日(木曜)
ビクトリア・ゲンリホブナ病気なり。Yけいこしにゆくことが出来ない。
三月三十日(金曜)
今日、クワルティーラの用事出来引越しをする。四時頃のつもりのところ、買いものをしたり何かして六時頃になった。
往来で猫柳を売って居た。一束五銭。いかにも早春の感、自分吸いつけられる心を感じ二束買った。
借室の初めての夜卓子にある猫柳の枝。
このコオペラティーブ〔協同組合住宅〕、基礎工事がわるいと見えてディ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ン〔長椅子〕に寝て居る頭に電車のドドンドンが響いてやり切れず。