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にっき

日記

宮本 百合子

14 一九二八年(昭和三年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,758 字 · 118 页

青空文庫

四月六日

四月七日

四月八日

四月十四日

四月十六日

〔欄外に〕

クロコディル〔風刺雑誌『わに』〕とスメハチ〔風刺雑誌名〕とを買った。クロコディルの方が面白い。なかなか刺したところを描いて居る。

四月六日(金曜)

〔発信〕山本氏へ手紙。加賀美さんへ手紙。

四月七日(土曜)

〔発信〕林町へ手紙

四月八日(日曜)

〔発信〕山岡へ手紙

モヤ中井さんへ

四月十四日(土曜)

パスハ〔復活祭〕。

四月十六日(月曜)

ペルシンファンスのコンサートにゆく。第七交響楽、ヴァイオリンの為のコンチェルト、エグモント、(カチャロフが出る。)第七シンフォニーよかったが、大したことなし。自分は却って、最後のカチャロフのエグモントの科白を音楽とともに誦するのをきいて、西洋の劇と西洋音楽がどの位同じ伝統をもって生きて来たか、悲劇の精神というものが――ヨーロッパの――全然日本の悲劇とは違うことを感じた。この感じは強く自分を動し、シェクスピアの偉大さ、ギリシア悲劇の偉大さなど強く理解した。日本の悲劇が人情を主として居るところ実に他の西洋の悲劇とは違う。カチャロフが本当に大きな役者であること、フランスの悲劇でも何でもやれる大きな役者であることがよく分った。