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にっき
日記
宮本 百合子
14 一九二八年(昭和三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,758 字 · 118 页
五月十一日
五月十二日
五月十八日
寝不足なり。自分もねぶそくだから腹が立って、怒った。
電話がかかって、Y又パッサージに居ることにした由。60号。自分達が一番始めてついた夜を過したところなり。
五月十一日(金曜)
ブロニポエズド〔「装甲列車」〕の日だが、今日はすべての興行物やすみ。〔約十字分の空白〕の葬式なり。
今度は、Yもホテルで愉快でないし、自分も愉快でない。
ピアノを弾き出し、腹が立って、手がふるえるようだったのをやっと堪えた。雨が降る。ピアノが音譜を、ねむそうに、くりかえしくりかえし弾く。
五月十二日(土曜)
雨
仕事やっとすむ。いい心持でない。変に郷愁を感ず。日本が恋しい。日本で、小説を書いて、書いて、腹の中まで書きたい。そういう心持だ。
小説が書きたい。刺戟を欲す。
エキスペリメンタリヌイ〔劇場名〕で、トラビアタ〔歌劇「椿姫」〕をきく。いい心持であった。
ピオネェールにだまされて、金、時計その他とられた。馬鹿らしい話。
五月十八日(金曜)
ブロニポエズドを見た。МХАТ、こういうものを演じるのにいろいろ旧来の演出法から脱せられず。例えば、第一幕に大尉の生活、感情その他説明する幕があるが、それはまるで、ドニー・トゥルビーニフ〔「トルビン家の日々」