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にっき
日記
宮本 百合子
14 一九二八年(昭和三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,758 字 · 118 页
十月二十八日
そでなど、出て来るな、という予感を与えて出す、ダイナミックと正反対な、新派的エフェクト。
十月二十八日(日曜)
すっかり寝坊。
アルキンより電話でパステルナーク(赤い色の百姓女、ロシア、セザン派)が河君の肖像を描く、一緒に行こうと。待っていると来て、今度は我々が行っちゃ工合がわるいらしい。勿論やめる。
第一大学の日曜講座おくれた。モローゾフスキー〔美術館名〕へ、近代フランス画のウイスタフカ〔展覧会〕を見に行ったがひどい人でやめ、トルストイ博物館へ行く。面白かった。トルストイが家出する前後の光景、汽車にまるまって外套かけて横になって居る姿など哀れだった。人生との最後の組み打ち。
○夜、遠いところの小劇場の分れで、レビゾールを見る。マールイ・ツェアトル風の流儀でやって居て、無駄とくすぐりが多い。役者も上手ではないが、やっぱりこの昔のままのも面白し。フレスタコフ丙。
〔欄外に〕
今日МХАТの三十年記念の祝、スタニスラフスキーがこの芸術座のためにつくしたモローゾフのために起立を求め、嘗、芸術を十年のうちにかえようとしても、かわるのは外面的なものでもっと遠いめで見よというような気焔を上げた由。