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にっき
日記
宮本 百合子
07 一九二一年(大正十年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,953 字 · 124 页
一月十三日
今日は久しぶりでAが学校に行ったので、妙に落付かないいやな心持がした。きのうの今日でもあるからだろう。
夜、「黄銅時代」の(三)を書いて居ると、どうしたのか急に「手紙」の構想が頭に浮んで来た。母上の手紙と唐沢氏の心持とを一幕物に配したのだ。今に書こう。
一月十三日(木曜)寒
今朝起きて見ると、千葉先生からお手紙が来て居るので、いそいで学校に行く。『女性日本人』の四月号に小説をのせるようにとの御話だ。この原因は、暫く途絶えて居、いろいろな人が□うこともあるから書いたらいいだろうと云う親切からなのだ。然し今自分は、「黄銅時代」以外の何ににも手をつけたくはない。それで、それがよく出来れば、何にもまさるものであろうと思う。先生の米国行は、先方との意志の異から御やめになったのだそうだ。
然し、何故先生は今日彼那に身をかわすような、気のない、私から見ると淋しい気分で居られるのだったろう。私は自分の云うことが用談以外一つも深く受入れられないような気がした。自分は少し淋しかった。
Aのペルシア中世文学は着々と進捗。自分も「黄銅時代」の(三)を漸々幾度も幾度も書なおしてやっと終った。