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にっき
日記
宮本 百合子
07 一九二一年(大正十年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,953 字 · 124 页
十二月十五日
十二月十六日
風邪まだよろしからず。
先達うちのように書きつづけて居たら、「南路」がすんで何となく物足らない心持がある。然し一種の調子が出来、文字がそれに乗って出て来るようだと大変だから、やめ。
少しやすみ、よいものを読むのだ。
加能作次郎氏の「幸福へ」『時事』に出、「赤光」のあとを受けて、独特の面白みあり、年の違い、性格の違いが興深く感ぜられる。『朝日』の吉屋信子氏のはどうしたのか。
十二月十五日(木曜)
昼過より工合悪く、到頭床につく。風邪なのだが、先日中、井戸の水をのんだので、それがどうかしたのではあるまいかと思っていやであった。
夜、熱は七度二三分なのに、頭ぼんやりし、胸を冷しよほどよろし。
A、虫が出たと云って驚く。気味が悪い。
或夢、久しぶりでKに会い、どうかした拍子に自分が感情的になって唇を出す。「其那ことをしてもいいんですか、かまわないですか」まるでその人のような声と顔つきとで云う。自分は怒り、つんと後を向き、さっさと其処を出てしまう。
十二月十六日(金曜)晴
今朝熱七度一分、気分余程よろしい。頭を下げ寝て居ると、とてもぼんやりしてしまう。
床の上にテーブルをのせ、此を書く。