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にっき
日記
宮本 百合子
07 一九二一年(大正十年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,953 字 · 124 页
一月三日
然し林町へ行くと、もう危くなる。笹川春雄氏が兵営から来ると云うので、しきりに誘われる。自分も一寸気を引かれる……然し、仕事を思うと離れられない、もう二十三なのだ、二十三! 遊んでは居られない。自分は到頭心を決して遊びに行くことは止めにした。何でもない小さい事なのである。けれども、自分の心の持方に対しては大きな試みであった。小さい気の毒や調子の悪さを超越しなければ、大きな仕事は出来っこないだろう、
「黄銅時代」の第壱を書なおしに着手、
島田清次郎氏より来賀、あの若さで、あれ丈俗なのは何故か、自分の広告並年賀は自分に非常にいやな印象を与えた。
一月三日(月曜)晴 寒
一、二日の『時事』、当選短篇、「脂粉の顔」、「秋の日?」(八木東作)此の二つの作品を通して選者が現れて居るから面白い。
投書、当選ということは、真個の芸術家に成ろうとするものにとってよい事か? 或はよくないことか? 岡田三郎氏は、まだ投書家的臭味を持って居る。
三十一日の夜完く睡れなかって以来、どうも頭がよくない。昨夜もよく眠れず、工合が悪いので林町へ行った。大瀧の基ちゃんが来て居、彼が飛行家に成り度いということから、母と私と彼と三人の間に種々の話が出た。