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にっき

日記

宮本 百合子

07 一九二一年(大正十年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,953 字 · 124 页

青空文庫

三月二十一日

「愛(結婚愛)にとって危険なのは、退屈単調などの内的困難である」とある。

退屈? 単調? 自分の感じるのは其と反対だ。余り情熱の激しさに打まけ、打まけるのが苦々しいために良人に対して、それにレスポンスしないことを怒る――、

此は如何に考えられるべきことか。

昨日、勉強部屋を、此三畳に移す。非常にコージーでよろし。勉強に非常に心地よい。

前には、二枚硝子戸がある。一方に小供が木炭で50+50+50=79 手書きの文字 等と書いた跡が残って居る。

自分の光線に対する特癖。

三月二十一日(月曜)

一週間ほど以前より、

憲政会対政友会の面白い――傍観的に見れば――問題が起って居る。

山田濶二と云う元満鉄に居た男が、政友会の――政府が、満鉄に損害を与えて、前回の総選挙費を或鉱山から利得したことに就て、証拠を公表し、法律問題にしようとして居る。ために政友会の広岡が、加藤高明が内田(船成金)から五万の金を出させるについては、彼(内田)のきらいな尾崎、島田氏等を後援しないことを有償せしめたのである、と云う手紙を新聞に出して駁した。きたならしい争い! 驚くべき政界である。