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にっき
日記
宮本 百合子
07 一九二一年(大正十年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,953 字 · 124 页
九月四日
九月五日
九月七日
〔欄外に〕きのうは午後から、ひどい雨が降ったが、明日はからりと明れ、一層万物が新鮮に見える。
九月四日(日曜)
ロシアの文学者が各自の才能を充分に発揚出来ないのは、政治的社会的圧迫によったのだ。日本の文学者が大成しないのは何か。自分は余りに鼻持ちのならない文壇的雰囲気、どうにでもなる日常生活であると思う。
九月五日(月曜)
○一寸したトルストイの寓話をよんで見ても、又其他の小説家の小さい作品をよんで見ても、ロシア人は、生れ乍らの理想主義者だ。江戸っ子が生れながらの、気分っ子である如く。
日本に若し、煙草をおやめなさい、其那ものはつまらない、大切なことは霊魂のことを考えることですと云ったとしたら、其奴は、えん、大きなお世話だ、と云う返事か、お前さんヤソかね、と云う質問を受けるだろう。
聖徳太子の時代の日本人もそんな――現状をそのまま溯らせたような人間――心の所持者だったのだろうか。
九月七日(水曜)
長い夏休みがすみ、急に生活が緊張したせいか、Aは、ひどく疲れ、いくら眠っても眠っても眠りたりないように思うと云う。
心配し、キナ鉄の葡萄酒を買い、食後少しずつ飲むようにする。