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あかくら

中谷宇吉郎集 第一巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页

青空文庫

三 コロキウム

を喰い止めてヤレヤレとしたものであった。

三 コロキウム

この時代から始まって、後ずっと理研の方で先生の亡くなられるまで続いたものに、「寺田小学校」というものがあった。この綽名は理研のF君が付けたもので、実は毎週一回午後三時から、先生を中心にして弟子達が皆集って内輪なコロキウム(雑談会)を開いたのであった。後にはその都度先生が西洋菓子を買ってこられて、論文の説明がすむと御茶にしながら勝手な討論や雑談をするのであった。先生の奇想天外なセオリーや大気焔の聴けるのもこの時であって、皆が大変楽しみにしていたものである。

このコロキウムの起りは大正十三年の夏で先生の理研入りの前年であった。大学の実験室の狭い一部屋で、Y君と私とで水素の爆発の実験をしていた時のことである。僕らがあまり本を読まなかったので、到頭先生から三人でコロキウムをやろうといい出されてしまった。論文は何でも良く、長さも随意で、ただし各人勝手な時に勝手な質問討論をして差支えなしというのである。実験室の片隅にやっと木の円椅子を三つ入れる隙間を作って、一尺に二尺位の小さい黒板を掛けてそこで始めるということになった。