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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页
一七 筆禍の心配
これは喜劇のようにみえて本当は大変な悲劇になっていると少くとも僕にはそう見えるな。
ネーチュアに、シュスターが色々の物理の大家に会った時の印象記が出ていたが、あれも面白かったな。毎号楽しみにしていたものだ。あの印象記には実際その大家の先生の人間味が出ていた。なるほどやっぱり吾々と同じ人間であったかと分って非常に愉快だった。
一七 筆禍の心配
先生と漱石先生との関係は、随筆「夏目漱石先生の追憶」の中にある通りである。ある晩のこと、やはり曙町の応接間での話であるが、その日は珍しく最初から漱石先生の話が出た。色々追憶の中にあるような話があった末、漱石全集の話が出た時のことである。
漱石全集の手紙のことについて色々事件があってね。森田君なんか全部出してしまえというし、そのため迷惑する人があって困るしね。あれでも実は随分迷惑に思っている人もあるんだからね。それにあの雑録や日記の中にはまだ出してはないが、かなり大変なこともあるんだ。森田君なんか、何でも関わず出してしまえといったが、つまらぬことで筆禍になってもつまらぬから僕なんか大いに止めたわけさ。僕はこれでも官吏だからね。