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あかくら

中谷宇吉郎集 第一巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页

青空文庫

文化史上の寺田寅彦先生

現代のわが国のもった最も綜合的な文化の恩人たる故寺田寅彦先生の全貌を語ることは、今日の日本のもつ教養の最高峰を語ることであって、単に物理学の部門での先生の一門下生たる自分などのなし得るところではないかも知れないが、何人がその任に当っても恐らく非常に困難なことであろう。

先生は、外見上は全く異なる二方面において、今日のわが国の文化の最高標準を示す活動を続けられていた。その一は物理学者としてであって、帝国学士院会員、東京帝大教授としてのほかに理化学研究所、地震研究所、航空研究所において、それぞれ研究室を持ち、多彩の研究をほとんど間断なく発表されていたのである。他の一面は漱石門下の逸材吉村冬彦としての生活であって、その随筆もまたわが国の文学史上に不朽の足跡を止めている。この一見全然相反する二方面の仕事が先生の場合には渾然として融合していたのである。先生はある時、自分にその点について「科学者と芸術家とは最も縁の遠いもののように考える人もあるが、自分にはそうは思えない。趣味と生活とが一致しているという点ではこれくらい似寄ったものはない」と語られたことがあった。