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あかくら

中谷宇吉郎集 第一巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页

青空文庫

「先生を囲る話」について

前に「先生を囲る話」を書いた時、その中に所々御弟子達の言動を点景人物の意味で入れておいた。ところがあの話は実は先生のいわれた言葉が重大なので、それは一段下げて書いておいた。しかしそれだけでは体をなさぬので、当時の先生を囲る周囲の気分を現わすために一々の話にちょっと前置きを書いたので、その点あの「話」には筆者のモンタージュが多少施してあることを御断りする。しかし先生の話された言葉自身は大体において当時の日記に残っているものだけしか採用しなかったので大した誤りはないつもりである。

例えばこの話の三三、油絵の話についていえば、あの前置きでは今理研に居るS君が先生に油絵の道具を買いにつれて行って貰って帰りに風月で珈琲の御馳走になったので、皆も羨ましがって油絵を始めたという風になっている。しかし矢島氏が先生の日記から調べられたところによると、それは大正十二年七月十二日のようである。ところがある晩先生の応接間へ伺ったらS君が油絵を持って先にきていたというのは大正十三年十一月一日のことである。しかし肝心なのは「空は青、樹は緑と思って絵を描いてはいけない。……」