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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页
○ 津浪と金庫の話
意を得たりと思ったね。あれでなくちゃいけない。
実験なんかでも、あまり勉強ばかりしていると、つい目を瞑って研究をするようになるから、よほどその点は注意する必要がある。いつでもアマチュアの気持を失わずに、楽しみながら、始終目を開いて仕事をしなければいけない。それがすなわち rationalist なんだよ。
○ 津浪と金庫の話
三陸の津浪の被害地を、地球物理学会の錚々たる先生方一同で見学に行った時、大変な難問にぶつかってしまった。それは何とかいう一番大きい金庫が津浪のために打ちあげられて、小さい家を二軒もとび越して山手の方へ持って行かれたという話が現場で立証されてしまったのである。金庫の旧の位置も津浪で持ってこられた現在の場所も確定したのだから、頭の良いことでは自信のある若い地球物理学者が揃った手前、何とか説明しなくては済まされない。津浪の浪が一局所に集ってきて、ホースから迸り出る水のような作用が生じたとかいう風な名論が続出したが、とても何百貫とある金庫を家二軒とび越させる力は出てこない。散々皆で頭をひねっている中に、誰かがちょっとその金庫の大きさと目方から比重を計算してみたら、〇・四とか〇・五とかいう値が出てしまった。