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あかくら

中谷宇吉郎集 第一巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页

青空文庫

○ 理研の額

とその後も度々人に話されて、上機嫌であった。

先生は大学で気象学を講ぜられ、藤原先生が師事されていた位だから、日本の気象学のある意味での開拓者の一人である。先生は航空船の爆破の研究の一副産物として、電光の生成機構に関する興味深い説を提出されたことがある。その説は、岡田博士の大著気象学の中に詳しく紹介され、電光に関する寺田博士の説として挙げられている。岡田先生はこの説を重視されて、色々説明を加えて幾分展開もしてあったので、それを見られた先生は、「いやどうもこう書かれると少々恐縮だね、もっとも「岡田の説」も大分はいっているようだからまあいいだろう」とニヤニヤしておられた。

○ 理研の額

理研のある建物の入口の脇に、小さいホールがあって、そこでちょっとした応接位は出来るようになっている。その壁間に墨絵の額がかかっているが、その図柄は大きい鉢が一つ描いてあって、その中に鮎のような形の魚が三匹ばかり泳いでいるのである。

ある日先生はとても上機嫌で実験室へやってこられて、「今ね、そこで所長さんを一つ凹ましてきたところなんだ」と皆の顔を見廻しながら大得意になっておられた。