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あかくら

中谷宇吉郎集 第一巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页

青空文庫

一五 本多先生と一緒に実験された頃

それが済むと、指を開いて見せるのだが、亭主とお神さんとがバラバラと五本の指になってしまうのだが、あの時は実に妙な気持になったよ。

一五 本多先生と一緒に実験された頃

先生は大学を出られて間もない頃、その当時まだ東京の大学におられた本多先生と一緒に磁気の実験をしておられたことがあった。漱石先生の『猫』の中で、寒月君が首縊りの力学の講演の稽古に乗り込んでくる所で、迷亭が「所がその問題がマグネ付けられたノッヅルに就いて抔という乾燥無味なものじゃないんだ」という条りがあるが、実際は先生は、本多先生と一緒に実験された頃は非常に面白かったようであった。ただ本多先生があまり猛烈に勉強されるので少々辟易の気味であったらしい。

何にしてもあの地下室で、毎晩々々十二時過ぎまで頑張られるのには弱ったよ。僕はまだ新米で助手なんだから、本多さんが実験をしておられるのに先に帰るわけにも行かず、毎晩一緒に帰ったものだ。勿論門はしまっていたがね、本多さんは決して塀の隙間から出るなんていうことはしないので、いつでもあの弥生町の門だが、ちゃんと門番を叩き起して錠をあけて門を開かせて帰ったものだ。