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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页
三 墨流し
それで金米糖は大体一定の大きさで一定の長さの角を持つようになるのだろうと思う。誰か数学の達者な人が一つやってみたら、きっと面白いだろう。そして金米糖のような電子でも考えたら、存外量子なんかも説明出来るかも知れない。もっともこれは冗談だが、兎に角線香花火でも金米糖でも、外国にないものだから誰もやらないんだ。もし外国にあったら、もうとっくに“On Kompeit※(サーカムフレックスアクセント付きO小文字)”という論文がきっといくつも出ているぜ。今に外国人がきて金米糖でも作る所を見て行って、そんな論文でも書いたら、みんな大騒ぎをして研究を始めることだろう。
その後理研の先生の研究室で、線香花火も金米糖も予報的の実験がされ、その報告も出た。その論文の紹介が独逸のベリヒテという雑誌に出た時、「マツバ」や「チリギク」の火花の名は羅馬字で書いてあった。「松葉や散り菊が欧羅巴まで通用したのは一寸愉快だね」と先生は御機嫌であった。
三 墨流し
今までの話よりもずっと後のこと、この四、五年前の話であるが、先生はある夏休みに理研で墨流しの実験を始められた。その実験は結局「墨汁の膠質学的研究」