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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页
夏目先生が『猫』の最初の原稿料だったか、二十円位はいってきたことがあったが、先生あぶく銭がはいったのでとても嬉しくてどうしようかと色々考えた末、丸善かどこかへ出掛けて行って、水彩画の絵具一式と、ワットマンか何かの引き裂くと絵葉書になる紙を綴ったのを一冊と、それから象牙の紙切ナイフとを買ってこられたことがある。きっと平生から欲しいと思っておられたものを買ってこられたんだろう。ちょっとそういう気になって楽しみなものだよ。まだ原稿料で生活の方を何とかしようというほど家計も困っていないし、またそれほど堕落もしていないが、ちょいちょい不意のあぶく銭が入ると、ちょっと都合の良いこともあってね。
こんな時にはちょっと気まり悪そうにして独特の微苦笑を洩されるのである。これが初めて御宅へ伺った学生の一人へ話される言葉なのである。
実はそれに僕はこう見えても科学普及ということにもかなり自信を持っているんだ。この頃の科学何とかという雑誌や本のような趣味の低いものでは、とても駄目だ。僕は科学的に考える方法というものを日常の生活に取り入れることをかなり注意して書いているつもりなんだ。