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あかくら

中谷宇吉郎集 第一巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页

青空文庫

ロイヅ博士の格子によるフラウンホーハー線の波長の精密測定には、近くの廊下を通る児童の足音でも響くということもあらかじめ調べてあって、当日はその一廊内には何人も立ち入らぬように依頼するなどという用意も出来ていた。強味はあらかじめちゃんとその振動の妨害程度を調べてあったことにある。シーロスタットその他露出してあるものには、ちょっと昼食に帰る時でも必ず日傘を立てかけてその上に縄を張っておくという風に極めて慎重であった。そのような場合に、忙しいというのは心の問題であって、時間がないということではないことを誰もがよく心得ているようにみえた。

すべての準備が終って愈々予行演習は十六日に一度、十七日に三度あった。そして日食前日の十八日には皆既の時刻にただ一回だけという風に心を配ってあった。このプログラムを見た時、自分はふとオリンピック前の監督の心組のようなものを感じた。この予行演習は全く皆既当日のままにやるのであって、マッキンタイヤ君の秒刻を読む声に合せて全行程を遂行するのである。前には何でもなかった乾板入れの戸がひっかかったりするようなことも第二日の演習の時にはすっかりとれてしまう。