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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页
その他の人間ならどんな人間にでも必ず何か取りえがあると思っている。そのつもりで見ると必ず何か取りえがあるから妙だね。ただどうしても僕は偽善者だけは好きにはなれない。実際人間味のある可憐な人々の失策ばかりとりあげて、いわばそれの at the expense of でね、それで自分の地位を保ったり、あるいはそれを厳しくいい立てることによって自分が立派な人間であることを人に証明しようとする道徳家連中位癪に障る者はないよ。こんなことをいうと、危険思想だと思われて、寺田君の説によると泥棒をする人が善人なんだからと時々冷かされることがあるんだ。
ガリレーが宗教裁判で、「自分は地球自転説を捨てる、しかし地球は廻っている」といったという説に対し、この頃、それはガリレーが腰を抜かして目を廻し「ああ廻る廻る」といったのだという説を出した人があるが、僕にはこの後の説の方が本当にガリレーの偉さを示していると思われる。初めのではちっともガリレーに同情することが出来ない。まるで芝居を見ているような気がして、ちっとも人間らしい所がないじゃないか。腰を抜かした所に、それまでのガリレーの内心の苦悶も見ることが出来るし、当時の世の中の空気も分るし、それでこそガリレーが益々偉く見えてくるのだ。