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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页
といって、済まして気焔を揚げておられた。
時々は前にいったような珍客が晴れやかな空気を持ち込んでくるようなこともあったが、時には先生が真顔になって実験の心得を説かれることもあった。
装置を一度作るとどうしてもその通りを追って行くのが一番楽で、どんどんそれを変えて新しく実験を進めて行くのが何となく億劫になって、次の事に手を出し兼ねるようになってしまう。それが実験家には一番いけないことだ。
型に嵌った実験を精密にやって、恒数を決めて行ったりする仕事も僕は決してつまらぬとはいわない。それも立派な事で、またなくてはならぬ仕事であるが、それにはそんな仕事に適した人があるから、その人に任かして僕は御免を蒙るというだけなんだ。僕は子供の時から家で非常に大事にしてくれたもので、自分の好きな事だけしてこられた。まあ、苦学力行の正反対で楽学の大家だね。しかし世の中には自分の好きな事をやるというのが何か悪い事のように思う人があるので困るよ。どうも日本人には、自分の性質に合わぬむつかしい事をひどく尊敬する癖があるようだ。自分の性に合わぬ事に大変な勉強をしてやっと人並位の仕事をして得意になってるのは、征服感の満足だということに気が付かないんだね。