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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页
また格外顕微鏡を用いて墨の粒子の直径の測定もしておられた。これらの物理的性質と墨色との間には何か関係がありそうである。そういうことの物理的意味も今一息の所で分る所だったという気がするのである。
それから硯の水の問題にもかなり立ち入った研究がされてあった。水面に出来る墨流しの墨の膜は、分子が数層並んだ位の薄いものであるが、その水の中にある種の鉱物質が百万分の一以下でもあると、その膜が固化するというようなことが分っていた。これなども溌墨との間に密接な関係がありそうである。朝顔の葉の露などということも案外な意味があるのかも知れない。
この種の研究は、膠質学の近年の進歩から見て、今より以前では出来なかったであろうが、次の時代になればまた出来なくなってしまうであろう。そんなことを考えながら、今更の如く先生の達識を思い見るのである。(昭和十二年八月『東京朝日新聞』)