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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页
四百六十五行から四百七十三行を御覧になると分ります」というのは、この註なのである。
それからこの時の絞殺の二つの方法について、一方が力学的に成り立たないという証明が本当にあるのである。「T1cosα1=T2cosα2……(1), T2cosα2=T3cosα3……(2)」と寒月君が始めると、苦沙弥先生が「方程式は其の位で沢山だろう」と乱暴なことを言うのであるが、この式は実際には十二個あって、それをちゃんと解いて、初めの方法が成立しないという所まで、約四頁にわたって証明がしてあるのである。「此の式を略して仕舞うと折角の力学的研究が丸で駄目になるのですが……」「何、そんな遠慮はいらんから、ずんずん略すさ」と苦沙弥先生が平気でいう所は、実は十二の連立方程式を解く所であって、いかに漱石先生でもこればかりは致し方がなかったのだろうと、原論文の読後、私は寺田先生を御訪ねした時御話したことがあった。先生は上機嫌で、「そんな所が確かあったようだったね、夏目先生も其処迄御分りになったのだろう」と笑われたことがあった。
この数学的の取扱いの次に、英国のことに言及して、ブラクストーンやプローアンの説が飛び出したり、有名なフイツゼラルドという悪漢を絞めた話が出たりするのも、やはり原論文にあるのである。