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あかくら

中谷宇吉郎集 第一巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页

青空文庫

火花の性質が分ると、今度はこの球皮上の火花で水素に点火するかどうかを確める。もっとも問題なく点火するのであった。それで今度は当時使っていた実際の無電機を借りてきて、それを発信させながら球皮の上に持って行ってみると、果して同じように小さい火花が一面に出る。そこへまた水素の噴孔を持って行くと、勿論火が点くのであった。

それで愈々無電発信による航空船爆破の模型実験になるのであるが、そのためには太鼓の胴のような枠に球皮を張って、その面へ無電機の接地電線をとりつける。その球皮張りの太鼓の中へは水素を流し入れ、球皮の一点に小さい孔を作ってそこから水素を漏洩させておくのである。勿論航空船の気嚢全体に相当する位の電気容量のコンデンサーを入れておくという風な細かい注意は沢山要るのであるが、そんなことは大した問題ではない。すっかり用意をととのえて、無電機を働かせてみると、果して水素に火が付いてしばらくすると球皮に燃え移り、やがて全体が猛然と爆発するのであった。なお念のためにと、航空中の状況に似せるために、扇風器で風を吹きつけてみても、その火は吹き消せず、かえって焔を球皮上に沿ってなびかせるために燃焼を助けるという点まで確めて、この実験は一段落となったのである。