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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页
雑草の豊富な種類とその各々が持つ特殊の美しさとは十分に説かれている。雑魚の世界は雑草の世界よりも単に地域的に広いばかりでなく、生存の範囲が立体的になっているために、その種類と変化とがさらに著しく豊富になるのは当然なのであろう。もっともここでの雑魚というのは、地図にも載らぬ位の小さい一つの湾の中でしかも磯に近い所で普通に獲れる極めてありふれた魚のことをいっているのであるが、それでも初めて漁村に近い土地の生活をする者の眼を驚かすには十分であった。前に「海底九百何十メートル」というような題の独逸の本を見せて貰ったことがあるが、特殊な金属球を作ってその中へ這入って海底の動物達の生活を見ると、まるで想像を絶した奇怪な姿のものがいくらでも蠢いているのである。深海魚の話は勿論専門外の私などの立ち入るべき筋ではないが、海といっても魚の棲息する所は海面に近い所か、海の底と決っているように聞いていたのであるが、実際金属球で沈んで行くと各層で色々不思議な魚に遭うようである。千メートルの海底といえば、水圧は百気圧を越えているはずで、そして日光もほとんど届かぬ永遠の闇の世界である。