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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页
この文句を見て自分は皆既日食の観測というものはなるほどこういう風にしてやるものかと感心したのである。物理実験のように何度でも繰り返してやっている中にだんだん研究方法をレファインして行くようなやり方に慣れていた自分には、この二分間を逸したら遠征が全く駄目になるというような場合の研究方法は非常に珍しかった。これは丁度国運を賭した大海戦の場合のように、いかなることが起っても、「決して失敗しない」という準備が必要なのである。そして四日間の滞在の間に自分は、この英国班のやり方が全くそのように準備されていることを知ってひそかに驚嘆したのである。(2)の中に、もし当日朝から曇っていた場合の心得がある。ちょっとでも太陽が見えた時その位置を捕えて、シーロスタットの時計を動かし続けておけという所で、ただし鏡の蓋は三時までそのままにしておけというような注意や、三時に時計に最後の捲きを与えその時セクトルに十分の余裕があるか否かを見よというような心得こそは、愈々戦いに臨んで興奮した心には非常に大切な要点なのである。こういう心得は口でいったのでは駄目なのであって、紙に書いて渡しておかねばならぬのであるが、その間の消息は一年の命を数分間に掛けるような場合に直面された体験のある人のみがよく了解されることであろう。