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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页
化粧映えは勿論白粉の粒子の大きさや粒の大小の揃い方などにもよるのであるが、その上粒子の表面に炭酸瓦斯を吸着させるという意外な方法のあることをきかされて大いに驚いたのであった。酸化亜鉛の粉が巧く摩り上った時に、適当な筒の中で上から撒いて落し、炭酸瓦斯を下から送ってやると、個々の微粒子の表面に炭酸瓦斯の分子が極めて薄い層となって吸着されるのである。考えてみれば、外から当った光線が炭酸瓦斯の薄層を通って中に入り、酸化亜鉛粒子の表面で反射されてまた出て来ることになれば、いわゆる薄層による光の干渉が起きて良いはずであって、理想的に行けば、銀色の魚の肌のように輝くかも知れないのである。勿論粉のことであるから鏡面反射は起きないので、白粉を塗った顔が七色に輝く心配もなく、ただ何となく輝やかしい感じを与える程度に止っているのであろう。そういえばいつか固体表面に吸着した炭酸瓦斯の薄層の光学的性質を研究した論文が、英国の物理雑誌に出ていたことがあったが、あれが化粧映えの研究だとは知らなかった。
これらはほんの一例で、外に実は色々細かい点でしかも実際問題としては大切な研究があったのであるが、それは余り公表しない方が良いのかも知れない。