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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页

青空文庫

或る年の『国民新聞』に文壇逸話と題した文壇の楽屋咄が毎日連載されてかなりな呼物となった事があった。蒙求風に類似の逸話を対聯したので、或る日の逸話に鴎外と私と二人を列べて、堅忍不抜精力人に絶すと同じ文句で並称した後に、但だ異なるは前者の口舌の較や謇渋なるに反して後者は座談に長じ云々と、看方に由れば多少鴎外を貶して私を揚げるような筆法を弄した。この逸話の載った当日の新聞を読んだ時、誰が書いたか知らぬがツマラヌ事を書いたもんだと窃に鴎外の誤解を恐れた。果せる哉、鴎外は必定私が自己吹聴のため、ことさらに他人の短と自家の長とを対比して書いたものと推断して、怫然としたものと見える。

その次の『柵草紙』を見ると、イヤ書いた、書いた、僅か数行に足らない逸話の一節に対して百行以上の大反駁を加えた。要旨を掻摘むと、およそ弁論の雄というは無用の饒舌を弄する謂ではない、鴎外は無用の雑談冗弁をこそ好まないが、かつてザクセンの建築学会で日本家屋論を講演した事がある、邦人にして独逸語を以て独逸人の前で演説したのは余を以て嚆矢とすというような論鋒で、一々『国民新聞』所載の文章を引いては、この処筆者の風彷彿として見はると畳掛けて、暗に私に諷てつけて散三に当り散らした。