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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页
就中、最も軽い諷喩と円転自在の名文で聞えたのが中坂まどきであって、「まどき」の名は当時の『読売新聞』の読者の間に喧伝された。この「まどき」というは偕行社の真裏に当るの世継稲荷の奥の代用小学校の持主で本名を中川真節といった。「まどき」は最う三十年も前に死んでしまったが、当時の『読売新聞』投書欄の愛読者は今でも「まどき」の名を記憶しているだろう。
「まどき」が盛んに『読売』の投書欄を賑わして殆んど独擅場の観があった頃、中坂思案外史の名がポツポツ投書欄に見え出した。時としては飯台思案外史とも称していた。「まどき」の老熟には及ばなかったが、折々心憎い事をいうので読者の注意を牽いた。同じ中坂だから「まどき」の弟分か弟子じゃなかろうかという噂もあって、「まどき」の名が盛んなるに伴れて思案外史の名もまた段々と聞えて来た。
然るに二十一年の五月の末『我楽多文庫』の第一号が創刊されたのを早速買って見ると、その巻頭の辞を書いたのが誰あろう思案外史であった。その頃中坂下に住んでいて朝夕この界隈を散歩した私は馬琴の瀬戸物屋の前を通って文豪を偲ぶと共に中坂という名に興味を持ち、この中坂を冠する思案外史は中坂の何辺らあたりに住んでる人だろうと揣摩し、この思案外史の巻頭の辞を載せた『我楽多文庫』