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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页

青空文庫

硯友社はこういう時代に起ったので、当時の政治家どもが未熟な政治的空想を捏ちて小説家顔するを片腹痛く思って、これに反抗して化政度の新らしいレネイサンスの運動を起そうとしたのだ。紅葉が元禄復興を唱えたのは研鑽の歩を進めた数年後であって勃興当初はやはり化政度の復現であったのだ。

硯友社の調子が初めから如何にも軽くて浮わついて見えたのは、一つは当時文壇に重きをなしたユーゴーやジスレリーの翻訳小説に馴れた眼で見較べられたからであるが、一つは硯友社の芸術至上が京伝三馬系統の化政度戯作者気質に即して、とかく世間を茶にして浮世三分五厘と脂下るテンと面白笑止しき道楽三昧に堕したからである。渠らの把持した芸術至上は必ずしも誤まっていなかったが、新らしい文芸を叫びつつも時代遅れの化政度の戯作者生活をお手本にしたのが誤りであった。尤もその頃は英国文学ですら殆んど理解されていなかった。日本の小説戯曲でさえ京伝馬琴以前は余り読まれていなかった。この時代の硯友社の作風や態度を仏蘭西や露西亜の近代作家に対するような心持で批評するのは時代を無視する色盲である。

元来都会生活には今も昔も通有のデカダン気分がある。