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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页

青空文庫

宛名はツイその近傍の著名な書肆で、「先達ての○は何々へ届けてくれ、本人が義務を怠たったら自分が返債する」という罪な文面だ。何々というはズボラで通ってる門生で、原稿引当ての前借を紅葉が口入したものらしい。こういう書面を、当の書中の本人がマダ健在であるのに、苟にも書肆たるものが他事に渡すというは怪しからん話で、あまつさえ額面に表装するというは言語道断である。が、それは左も右くもとしてこの額面の正札が、驚く勿れ、金六十八円也とある。イクラの前借を申込んだか知らぬが、多分この正札の額よりも少なかったろう。ツイこの頃の大阪の柳屋の目録にも紅葉の不養生訓という自筆の原稿が載っておる。どんなものか知らぬが弐百五拾円という突飛な価には驚かされる。紅葉の人気の高いのはこれを以ても証される。

明治の文人の全集中、漱石全集の予約高は近頃群を抜いてるそうだが、紅葉全集の既刊部数も恐らくこれに劣らないだろう。全集ではないが、『金色夜叉』の如きは何度重版しても足りないで、毎年の出版部数が今だに相当な高率を維持しているそうだ。実をいうと『金色夜叉』は最初の構想が中途で何度も変って纏まりが附かなかった未成品であるが、真珠の頸飾の断れたのを南京玉で補ったような続篇が二つも三つも出来て、芝居は勿論、活動写真ともなれば流行唄ともなり、中学校