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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页

青空文庫

今から※(「研のつくり」、第3水準1-84-17)んな弱音を吹くのは愚だ。きっと癒ると思わにゃ駄目だ。」

「愚でも駄目でも仕方がない。医者が三月と宣告したんだから、力んでも踏反り返っても三月経てばゴロゴロッと痰が咽喉へ引からんでのお陀仏様――とこう覚悟して置かにゃ虚偽だよ、」と片頬に笑を含みつつ力の抜けた空元気で、「そこは大悟徹底している。生延びようとは決して思わんが、欲しいと思うものは頭のハッキリしている中に自分の物として、一日でも長く見て置かないと執念が残る。字引に執念が残ってお化けに出るなんぞは男が廃らアナ!」と力のない声で呵々と笑いながら、「『センチュリー』なら直ぐ届けられるだろう。」

「むむ、『センチュリー』なら直ぐ届ける、」というと、漸く安心したような顔をして、「これで先ア冥土へ好い土産が出来た、」と笑いながら丁度店員が応接室の外を通ったのを呼留めて申込書と共に百何円の現金を切れるような紙幣で奇麗に支払った。

それからかれこれ小一時間も悠然と腰を落付けて久しぶりで四方山の話をした。紅葉と私とは妙なイキサツから気拙くなっていたが、こうして胸襟を開いて語ればお互に何の蟠りもなく打解ける事が出来た。