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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页
はシッキリなしにガタビシしていた。
就中、社員が度々不平を鳴らし、かつ実際に困らせられたのは沼南の編輯方針が常にグラグラして朝令暮改少しも一定しない事だった。例えば甲の社員の提言を容れて直ぐ実行してくれと命じたものを乙の社員の意見でクルリと飜えして肝腎の提言者に通告もしないでやめてしまう。そんな事とは知らないから前に命ぜられた社員は着々進行して率ざ実現しようとなると、「アレはやめにした、」とケロリと冷ました顔をしている。自分ばかりが呆気に取られるだけなら我慢もなるが、社外の人に手数を掛けたり多少の骨折をさせたりした事をお関いなしに破毀されてしまっては、中間に立つ社員は板挟みになって窮してしまう。あるいはまた、同じ仕事を甲にも乙にも丙にも一人々々に「君が適任だから骨を折ってくれ」と命ずる。自分だけが命ぜられたツモリで各々一生懸命になって骨を折ってると、イツカ互に同士討している事が解るから誰も皆厭気がさして手を引いてしまう。手を引くばかりでなく反感を持つようになる。沼南統率下の毎日新聞社の末期が惰気満々として一人も本気に働くものがなかったのはこれがためであった。