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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页
を貫く熱心が欠けていた。文壇に乗出したそもそもの初めこそ小説を生涯の使命とする意気込があったらしいが、人気が去ってからは他の仕事に転々して、最後に再び文壇に舞戻った時は最う時代に遅れてしまって、口を糊するに忙がしくて捲土重来の花を咲かせようとする意気地が抜けていた。
第五、美妙斎は人となりが偏狭で、誰とでも親密になれなかった。かつ誠実が多少乏しかったようである。その頃我々は大抵独身で、始終互いに往来して共に飲食する事が珍らしくなかったが、美妙と一緒に飯を喰ったという話を誰からも聞いた事がなかった。勿論美妙の家で蕎麦一つ御馳走になったという人もなかったようだ。かえって美妙を尋ねる時は最中の一と折も持って行かないと御機嫌が悪いというような影口があった。かつ、文人の集まる席へ案内されても滅多に顔を出さなかった。尾崎と一緒に下宿して一つ鍋のものを突ッついた仲でありながら、文壇の羽振が宜くなると忽ち裏切してしまった。二葉亭とは親同士が同僚であって、小学時代からの友人であったが、中年以後は全く疎隔して音信不通であった。文壇人とは誰とも面識があったが、親友というものは殆んど一人もなかったようだ。