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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页
であるから金港堂を離れて後の美妙斎は全く孤立して、誰とも交際わないから随って誰にも余り同情されないで、社会的にも私的交際にも段々存在を認められなくなってしまった。
第六、稲舟女史との関係については真相を判断する材料を持っていないが、無責任な新聞紙に大袈裟に伝えられるほどの不徳が美妙にあったとは思われない。美妙にも必ず同情すべき気の毒な事情があったろうと思うが、平生誰とも交際わないから自然文壇の同情が薄く、同情したいにも同情するだけの材料を持ってる者がなかったから、蔭にも日向にも美妙のため弁疏する事が出来ないで、新聞紙の報道を半分虚伝と思いつつも暗々裡に認める外はなかった。実をいうと、日本のような道徳的基準の低い国で美妙が犯したぐらいの恋愛的過失で社会的に葬むられてしまうというのは不思議である。が、嶮峻の隘路に立つものは拳石にだも躓いて直ぐ千仭の底に墜ちる。人気が落ちて下り坂となった時だから、責むるに足りない聊かの過失でも取返しの付かない意外な致命傷となったのであろう。愛の冷却した夫婦の結合は不自然であるとか虚偽であるとかいう勝手な理窟を附けて不条理極まる破縁を不人情とも没義道とも思わず、あるいは三角や四角の恋愛を臆面もなく手柄顔に告白するのを少しも怪まない今から考えると、ただこれだけで葬むられてしまった