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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页

青空文庫

と明らさまに書く処に二葉亭の一生鞭撻してやまなかった心の艱みが見えておる。

尾州から父に伴われて父の任地島根に行き、殆んど幼時の大部分を島根に暮した。その頃の父の同僚であって叔姪同様に親しくした鈴木老人その他の話に由ると、頗る持余しの茶目であったそうだ。軍人志頤で、陸軍大将を終生の希望とし、乱暴して放屁するを豪いように思っていたと、二葉亭自身の口から聞いた。

二葉亭の伯父で今なお名古屋に健在する後藤老人は西南の役に招集されて、後に内相として辣腕を揮った大浦兼武(当時軍曹)の配下となって戦った人だが、西郷贔負の二葉亭はこの伯父さんが官軍だというのが気に喰わないで、度々伯父さんを捉まえては大議論をしたそうだ。二葉亭の東方問題の抱負は西郷の征韓論あたりから胚胎したらしい。こんな塩梅に児供の時分から少し変っていたので、二葉亭を可愛がっていた祖母さんは「この子は金鍔指すか薦被るかだ、」と能く人に語ったそうだ。(金鍔指すか薦被るかというは大名となるか乞丐となるかという意味の名古屋附近に行われる諺。)

十五歳の時、島根から上京して四谷の忍原横町の親戚の家に寄食した。