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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页
全体として評すれば『浮雲』の文章及び構作は共に未成品たるを免かれない。が、『浮雲』を評するものは今より殆んど四十年前の作、二十四歳の青年の作である事を記憶せねばならない。これより以後多くの文人が続出して、代る代るに文壇を開拓して仏露の自然主義まで漕付けるにおよそ二十年を費やしている。少くも『浮雲』の作者は二十年、時代に先んじた先駈者であるといわねばなるまい。単に文章の一事だけでも、今日行われてる小説文体の基礎を築いた功労者であるといわねばなるまい。どの道、春廼舎の『書生気質』や硯友社連の諸作と比べて『浮雲』が一頭地を挺んずる新興文芸の第一の曙光であるは争う事は出来ない。中には文学史上の著名の傑作が時代という考を去るとしばしば価値が乏しくなる幾多の例から推して、『浮雲』をもまた時代の産物以上の価値がないもののように軽視するものがあるが、外国の名著と比べたらあるいは余り多くを価値する事が出来ないかも知れないが、日本のとなら同時代のものはさて置き、今日嘖々される諸作と比べても決して軒輊する処がない。但し『浮雲』は二葉亭の思想動揺の過程に跨がって作られてるから、第一編と第二編と第三編と、各々箇立していて一貫する脈絡を欠いている。