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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页
二葉亭にいわせると、日本人が浦塩あたりで盛んに商売するのは、当人自身は金儲けより外考えないでも、これが即ち日本の勢力を扶植する所以であるから、商売の種類は何であろうとも関わぬ、海外の金儲けは即ち国富の膨脹、国権の伸長、国威の宣揚である。極端な例を挙げれば、醜業婦の渡航を国辱である如く騒ぐは短見者流の島国的愛国論であって、醜業婦の行く処必ず日本の商品を伴い日本の商業を発達させ日本の地盤を固めて行く。東露に若干たりとも日本の商業を拡げる事が出来たのは全く醜業婦のお庇である。露国は自国の商工業を保護するために外国貨物に重税を課し、例えば日本の燐寸の如き一本イクラに売らねばならぬほどの準禁止税を賦課している。が、こういう極端な保護政策を取って外国貨物を塗絶しようとしているが、独り外国醜業婦の移入に限っては殖民政策の必要から非常に歓迎し、上陸後もまた頗る好遇して営業の安全及び利益を隠然保護している。浦塩における日本の商売が盛んに発展しつつあるは畢竟醜業婦の背後に隠れて活動する結果であるから、この特恵に乗じていよいよ益々多数の醜業婦を輸出するは取も直さず益々日本の商業を振う所以である、というのがその頃しばしば二葉亭に力説された醜業婦論であった。